見栄だけが先行した転職

2012.01.14

三十一歳の営業マンEさんは二年前に一度転職している。そのときのEさんの動機は、少々不純なものだった。「前の転職は、見栄だけが先行して、本当のところを見失ってました」というのもEさん、それまでは中堅サービス業の営業をしていたが、五年ごとにある同窓会がきっかけで転職をしたのだった。「高校の同窓会が五年に一回あるんです。うちの高校は大阪でもかなりの進学校で、みんなけっこう名の通った企業に勤めてるわけです。

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三年前の同窓会のとき自分の会社の名前を言ったら、みんなから『なにそれ』とか『そこ何やってる会社?』つて言われて。説明したのはいいんですが『はあー』とか『そういう会社もあるんやな』なんて。その後は会社の話題に触れないようになったりして、かなり悔しい思いをしたんです」そしてEさんは、次の同窓会までに有名企業への転職を決意したのだった。もともと卒業した大学も名の通った学校だったし、縁があって入社したこれまでの会社の中でも、営業としてそこそこの実績をたたき出してきた。景気も今ほど悪くなかったこともあり、半年後、某大手有名メーカーへ無事転職。当初は次の同窓会が来る日を指折り数えながら喜んでいたEさんだったが、やはり動機が不純なだけに、うまく新天地に馴染めなかったようである。




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