アメリカは二〇世紀に入って世界で最も生活水準の高い高コスト国になったがそれでも今日に至るまで長い間繁栄をつづけている。その最大の理由はアメリカがそれまで人類が手にしていなかった新しい商品やサービスを次々と開発して世界に提供しつづけたからである。ヘンリー・フォードは貴族や一部の金持の特殊な贅沢品であった自動車を大衆のものにした。ライト兄弟は飛行機を発明し、エジソンは電燈を、ベルは電信を、フォン・ノイマンはコンピューターを、そして各種の電化製品もDDTも、ナイロンも、今日の私達の近代的な生活にとって欠くことのできない製品をアメリカの人々は次々と発明し、開発し、製造して世界に提供しつづけたのである。
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いいかえれば世界最高の高コスト国が繁栄をつづける最大最良の途は人類にとって有益な前人未到の商品を創造し、提供しつづけるということである。そうした方策あるいは戦略を実現するうえで最も重要な事は独創性や創造力のある人材を確保し、あるいは育成する事である。日本人は物真似が上手だが独創性や創造力が乏しいという説があるがそれは必ずしも根拠のあることとはいえない。なぜなら過去の科学技術の発展の歴史を顧みても日本人が新しい創造をしたり発明をしたりした貢献は少くないからである。