フリーターを含め若年雇用の不安定化は、日本経済にとってネガティブな影響を与えることになる。すでにいろいろなことが言い尽くされているが、将来の問題として、若年層の職業教育・訓練などが充分に行われなければ、今後の日本経済の生産性は低下するだろう。また、フリーターや若年無業者の増大は、所得面での制約から、独身者の増加や未婚率の上昇につながる。このことは、現在問題になっている少子化をより一層加速させる。この点でも日本経済の成長にとってマイナスの影響をもたらすことは間違いない。
(参考)
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しかし、それにも増して、より重要な点は、若年雇用が不安定化することによって生み出される社会的問題である。本来、日本経済に最も貢献すべき若者たちが行き場を失った場合最も懸念されるのは、それが犯罪など社会不安につながっていくことである。アメリカの場合は、若年失業の増加が六〇年代に大都市で起きた暴動の大きな背景となった。ジョブ・コアは、社会的混乱を防ぐという政策的意図で導入されたものである。日本国内では幸いなことに、これまではテロなどの大きな事件は発生していない。しかしながら、近い将来そうしたことが日本で起きないという保証はどこにもない。社会的に居場所を失った若者たちがテログループなどと接触を持ち、彼らに共鳴することだって充分あり得ることである。中東地域では、まさにそういう事態が起こっている。テロ事件に限らず、社会的に行き場を失った若者たちのエネルギーが誤った方向に流れることが、どれほど世界に悲惨な出来事を引き起こしているかは、ここで語る必要がないだろう。繰り返すが、本来、若者は、社会にとって希少な資源である。彼らが貢献できる場が与えられないことほど、若者自身にとっても、また社会にとっても不幸なことはない。彼ら若者たちに社会で活躍できる場を提供すること、また、そこへの巣立ちを可能にすることは、同じ社会に住むすべての者にとって、共通の責任であると考える。